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出会った時から崖っぷち

これまでいろいろな学生さんと出会い、そしてお世話をさせて頂いていました。
総数で言うと軽く1000人以上の方々に留学カウンセリングをした事になりますが、その中でも印象深かった学生さんの思い出を語ってみようかと思います。

彼が相談に訪れた時、「もう駄目かも?」という言葉が頭に過りました。
オーストラリアの大学への進学を目指してファンデーションコースに在籍していたのですが、その後の進学の事を語る前にファンデーションでの成績表を見せて貰うと、見事に落第成績。学校からのレターには「大学入学望みなし」と言った文面が書かれており、復学するか退学するか?の二者選択の決断を迫られていました。

日本で高校を卒業して、オーストラリアの大学を目指す人の多くがファンデーションプログラムを受講しなければなりません。ファンデーションプログラムでは、一般教養に関わる科目を履修して、その成績によって進学する大学と学部が決定します。ほとんどのファンデーションプログラムは、大学付属として運営されている場合が多く、ファンデーションを修了して進学する先は提携先の大学へ行く人が多いのですが、必ずしも当該の大学ではなくても他の大学へ進学する事も可能です。
ただ、ファンデーションの履修科目は、大学進学での専攻に向けて必要な科目だけではなく、一般教養(やりたくもない科目)も同時に履修しなければならない幅の狭さもあり、不自由が多いのが難点とも言われています。
その彼も、「自分が本当にやりたい事」の為に留学を目指したのだけど、「やりたい事」の前に「やりたくもない事」をファンデーションでやらされてしまって挫けてしまった。と言うケースでした。

こう言った場合、無理に復学を薦める事はできません。復学したところで結果は同じ事。だったら違う方法を考えて「彼が目指すゴール」へ導いてあげる事が留学カウンセラーの仕事でもあります。
彼が「本当にやりたい事とは何か??」と言う話からカウンセリングが始まり、いろいろと話を聞いていると「環境学について学びたい」と言う本音を聞く事ができました。「環境学?!今目指している専攻とは違うんじゃない?」と言う返事を皮切りに彼の「環境学を学ぶ事」への熱意の言葉が溢れてきます。ついさっきまで「半泣き」で相談しに来た学生とは明らかに違う目をしていました。

「環境学ねぇ・・・」
環境学はオーストラリアで大学留学を目指す人の中に時々希望を聞く専攻分野でもあります。オーストラリアは資源に恵まれた国でもあり、その保護政策や研究において非常に進んでいる国の一つでもあります。環境学と同時に海洋学なども良く知られており、研究施設も多いのが特徴です。
しかし多くの留学生が誤解している点として、研究施設で勉強をするには「リサーチ」を選ばなければなりません。すなわち「Postgraduateコース」で留学を目指さないといけないと言う事なんです。同様の事として「イルカの生態を学びたい」と希望してオーストラリア留学を目指す人も多いのですが、どの大学にも「Undergraduateレベル」でイルカの勉強をする事はできません。イルカの生態を研究したかったら「大学を卒業してからおいで」って言うしかありません。
その類いの留学希望を寄せて頂く大半は高校生からのお問い合わせが中心で、高校卒業後の進路として「オーストラリアでイルカの勉強をしたい」と希望されるのですが、本人が希望する「イルカの勉強(研究)」へたどり着くには、ファンデーション→大学→大学院までの少なくとも5年以上掛ると説明しなければなりません。まぁ・・その事実を知って諦められる方がほとんどなんです。

さて、その彼から「環境学」を学びたいと希望を伺って、ひとつTAFEで勉強してみたら?と提案してみました。TAFEでも環境学の勉強ができるので、そこで「まず、自分がやりたい事が適正なのかどうか?」を試してみてはどうか?とアドバイスさせて貰ったのですが、コース案内書を見せてあげると「食い入るように」案内書を見ています。「この子、本気だなぁ・・・」って横目で見て確信したので「それじゃ、時間もない(切羽詰まっている)訳だから、親御さんと相談してすぐに返事頂戴」とコースの案内書を彼に手渡して戻って来るのを待っていました。
翌日・・・、彼が晴れ晴れした顔でやってきて、「親の理解を得られた」と言って手配依頼に来られました。もちろん、前の学校の成績が散々だったものですから、入学手配は一筋縄では無かったですが、無事に手配も完了して新学期を迎える事になりました。

新学期を迎えて、しばらくしてから彼が私の元に相談に来ました。
「まぁ(失敗か成功か)、どっちかだなぁ・・・・」と覚悟をして彼に会ってみると、「毎日がとても楽しい!」とお礼を言いたくて尋ねてくれたそうです。2年のコースだったのですが、その後も節目節目で報告に来てくれました。しかも、セメスターの成績表を見せて貰ってビックリ。なんと、全ての科目にHD(優)の文字がずらりと並ぶ成績だったものですから・・・。かつての「落ちこぼれ」は、今では「首席」の成績です。
その後も問題一つ起こすことなく無事に卒業し、かつて目指していた大学の環境学へ編入を無事に果たす事ができました。最後のセメスターの成績を大学に提出した時には単位免除まで貰い、1年分遠回り(ファンデーションでの期間)した借りを返した。って結果になりました。

人って、変わる時は変わるものだ・・・と、つくづく感じさせて貰った学生さんでした。
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theme : 海外留学
genre : 学校・教育

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プロフィール

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Author:KALEIDO留学サービス
大西 輝彦(KALEIDO留学サービス代表)
(1972年8月31日 大阪生まれ A型)
◆NPO留学協会 関西事務局 副代表
◆オーストラリア政府教育情報センター・EATC認定留学カウンセラー
◆RCA海外留学アドバイザー

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